映画:セッションズ [映画]
2014年2月1日 京成ローザ10ウエスト にて 鑑賞
アメリカ映画でも"ビッグバジェット"だと、どうも相性が悪く「面白い」と思えないので、そうではないアメリカ映画が観てみたいと思い、本作を観に行きました。
「障害者と性」についてのお話なのですが、それって数年前、日本でも似たような題材で映画が製作されたような記憶があります。
考えてみれば、そういったお話って、どこの国の障害者であっても、向かい合わなければならない普遍的な問題なのですよね。
ただし、そういった問題に対処するための"レシピ"は、その国によって様々なのです。
ひたすら隠蔽する方向で「そういった問題は、そもそも存在しない」とする国もあるでしょうし、本作品を製作したアメリカのように、問題解決を、障害者本人と、その協力者とで共有し、真摯に向き合う国もあるという事ですね。
障害を持った主人公が、とても前向きで、ユーモアを忘れない明るい人だからか、この映画は、主人公が「障害者である」事に起因するであろう、ある種の「生真面目さ」を払拭する方向で物語が進行していきます。
これは、もしかしたら今は違うのかもしれませんが、私の子供の頃、日本映画に登場しがちだった、障害者イコール善人として扱うステレオタイプな"聖人君子的障害者像"からは、かけ離れていますよね。
そこが、この映画の肝なんだと思います。
それによって、画面から、重苦しさを払拭させる事に成功しているのだと。
障害者だって、性愛に興味を持って構わないし、
障害者だって、腹黒い人がいても構わないし、
障害者だって、自分の障害をネタにして笑いを取る人がいても構わない。
なぜなら、"生きている"のだから・・・
どんな境遇にいる人であっても、楽しく生きて良いのだという、「生きる喜び」を享受する事を徹底的に肯定した暖かい眼差しを感じる、とても良心的な映画でしたね。
そして、ビッグバジェットでは、うかがい知ることが難しい、アメリカの良さを表現していたように思うし、本作に登場したような、性的なカウンセラーを"Sexual surrogate"というProfessionalな職業として認めているところに、アメリカの素晴らしさというのを感じました。
それと、本作がR18指定な件ですが・・・
公開直後から「それ、おかしくない?」という指摘があちこちで行なわれていましたね。
たしかに、本作がR18で、『地獄でなぜ悪い』がPG12というのは、些か杓子定規すぎる解釈かと。
内容まで加味したら、逆でしょうね・・・本当の意味で未成年者への影響を考えるのならね。
つまり、作品の内容ではなく、「そこに何が映っているか」でしか判断していないんでしょうね。
そうしないと、万が一、何かの理由で裁判でも起こされると、厄介だという事かな。
んー、そんな後進国みたいな判断基準で果たして良いのでしょうかね?
セッションズ - 映画ならKINENOTE
http://www.kinenote.com/main/public/cinema/detail.aspx?cinema_id=72281
「セッションズ」5/2 デジタル先行配信| 6/11 ブルーレイ&DVDリリース! - YouTube
http://youtu.be/9NagOf6m7KU
タグ:平成26年の出来事
こんばんはー。
「障害者イコール善人」ってフレーズに、
今回の「ソチ・オリンピックメダリスト選手」に対する、
私の「期待」をふと思い描きました。
そんな「勧善懲悪」な人、存在しないんだけど、
我々凡人は期待してしまうんですねー。
「この人達は私達と違う、人格の素晴らしい事に違いない」と。
「違う」って所で。
BBC が制作したパラリンピックのPVは徹底して
「カッコいい」演出で「どんどん露出を増やす(お洒落テイストを使っても)」。
https://www.youtube.com/watch?v=kKTamH__xuQ
この制作者側の「心意気」と「徹底した割り切り」は素晴らしいなあと思います。
あ、バズ・ラーマン版の「グレート・ギャッツビー」観ました。
あのう。。。美術、衣装は素晴らしかったです。。
ロバート・レッドフォード版の方が空しくて良かったですね!
バズ・ラーマン監督の映画「ロミオとジュリエット」は最高傑作なんですがねえ。。。
by ブースカ (2014-04-06 02:46)
ブースカさん、コメントあざーす。
私の場合、障害者というか、社会的なマイノリティな人たちが、たくましく生きていっている事に、感銘を受けてしまうのですね。
少し前に観た中国映画『ドラッグ・ウォー』に、聾唖の兄弟が出てくるのです。
麻薬組織の構成員なんですけどね。
その兄弟が、アジトに踏み込んできた警察相手に銃撃戦を展開。
警察側に多数の死傷者が・・・
って展開なのですが、「こういう人たち、いるんだろうな」って。
社会的に排除されがちな人たちって、行き場が無いじゃないですか。
なので、暴力団的な組織の構成員になるっていうのは、あり得ない事じゃないなと。
そこへいくと、パラリンピックに出場している人たちって、なんか別世界の人・・・なんつうかエリートなんですよね、なんだかんだ言って。
だから、あんまりこう、思い入れるところがないんですね、個人的には。
興味の範疇外って感じです。
ギャッビー、既にほとんど記憶にありません。(笑)
どんな美術でどんな衣装か、思い出せないんですよね~ラストシーンも、忘れたし。
辛うじて「いっぱいVFX使ってあったな」くらいの大雑把な記憶しかないんですよね~ホント相性悪かったなぁあの映画とは。
せめてもう少し、哲学的な何かとか、文学的な匂いがあれば、記憶に残ったんだと思うのですが・・・
by 小坂太郎 (2014-04-07 23:36)