韓国映画『哭声/コクソン』を観たんだけど、2017年度暫定1位の、とても印象に残る作品でした。 [映画]
2017年3月20日 シネマート新宿
2017年に観た19本目の映画
初めて見た韓国映画は、『息もできない』だった。
それで、「なんか凄いぞ韓国映画」って思って。
所謂韓流のドラマとは違う、骨太な世界がある事を知って。
次に見たのが、本作と同じナ・ホンジン監督の『悲しき獣』で。
見終わった後の衝撃・・・「おれ生きてて良かった」というね、凄い感想を抱かせてくれた作品で。
今思えば、あれだけ凄惨な描写を初めて見たって言うのもあるんだけど。
それにしても、後味が悪く、それが余韻を残す、非常に咀嚼しにくい作品だと思うんです、悲しき獣は。
ですが、それも、この作品と比較したら、まだ咀嚼しやすかったと。
ついに、まったくもって訳のわからない、咀嚼させる気がそもそもないんじゃないか、というね、「これ食用?食べられない種類のやつじゃないの?」みたいなのがやってきちゃいましたね。
少し前に見た『お嬢さん』も凄かったけど、それでもまだ、ミステリーとして謎解きの面白さというか、実際にはこうでした、という正解が提示されるんだけど、それすらないですから本作は。
だけど、それじゃつまんない作品だったのか?と言われると、そういう訳でもなく。
言語化できないというかしにくい領域に入ってくるハナシでした。
今どきの日本映画みたいに、全部セリフで説明してくれたり、映像で説明してくれたりする作品ばっかり人からすると、この突き放した感じは、到底許容出来ないでしょうね。
行間を読むというレベルじゃ無くて、行間しか無い、本文読めないよ、って感じです。
尤も、最初は読めてるんですよ本文。
それも、ちょっとこれコメディ?ってくらい緩い文章が続く中、ある時点から急速に緊迫感が増していき、ついには、本文が読めなくなって、行間しかない。
こんな映画、他にもあるのかな。
私は、古今東西全ての映画を見た事があるほどの映画マニアじゃないので、こんな映画見たこと無い、って、相当驚きましたけど。
凄い作品だ。
それとヨソ者が、敢えての日本人。
実際に日本人が演じる意味がありましたね。
あの國村隼が、ヨソ者って感覚は、少なくとも日韓の観客は、十分共有できたかと。
けど、『お嬢さん』でも書いたけど、日中韓の区別もつかない西洋の人たちからしたら、國村隼演じるヨソ者の異物感は、しっかり伝わったのかな?と思います。
アジア特有の、キリスト教と土着の宗教が共存する文化とかも、訳がわからないんじゃないかと思うし。
どういう風に咀嚼するのか興味があります。
そういえば、この作品、どこか『沈黙 -サイレンス-』に似た匂いがありますね。
日本と韓国、ちゃんと区別ついてるのかな西洋人は・・・
結論も、人それぞれ、いろんな解釈が出来るようになっています。
凄い脚本ですねこれは。
『お嬢さん』と共に、インパクト強すぎて、ちょっとっしばらくは、他の作品が霞んでしまいそうです。
そして、本国での公開時期は、違うのでしょうが、日本に於いて、この2作がほぼ同時期に公開された事は、韓国映画、絶好調を印象づける事になったと思います。
2017年に見た映画の中で暫定1位ですね。
http://kokuson.com/
http://coco.to/movie/83575
http://www.kinenote.com/main/public/cinema/detail.aspx?cinema_id=86853
https://www.imdb.com/title/tt5215952/
http://movie.daum.net/moviedb/main?movieId=84000
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タグ:平成29年の出来事
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