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アメリカ映画『アイヒマンの後継者 ミルグラム博士の恐るべき告発』を観たんだけど、アイヒマンとは直接関係無いかなぁという作品でした。 [映画]

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2017年3月22日 シネマカリテ
2017年に観た21本目の映画
映画タイトルからアイヒマンに関連する作品なのかと思ったら、直接的には関係の無い作品でしたね。
社会心理学者スタンレー・ミルグラムの半生を描く作品でした。
どのような実験を行ない、それを行なおうとした動機に焦点をあてている感じでしたね。

アイヒマンとの関連については、彼が、とある実験を通して、ホロコーストが何故起きたのかを研究しているのですが、その動機に関連して、アイヒマンが登場する程度です。
もっとも、アイヒマンが異常性格者だったら、それはそれで特異な人物が引き起こした悲劇で終わっていたのでしょうが、実際にはそうではなかった。
我々の周りにもたくさにる、極めて職務に忠実な、一介の市民だった。
その事が、世界に与えた衝撃は、凄まじかったのだろうと思います。

ホロコーストを容認してしまう人間の残虐性について、科学的に証明ができるのか?
アイヒマンはじめ、加担した人の多くは、上から、つまり自分より権力を持っている人間に指示されたことを、そのまま遂行しているにすぎない、というメカニズムを解明を解明する。
その事によって、道義的に誤った指示に対して、どのように行動すべきなのか、つまり残虐行為への加担に対しての予防措置を検討したい。

そんな思惑がミルグラムには、あったように思います。

実験の結果は、非常に恐ろしい結果で。
一定の条件下であれば、残虐行為へ加担する人が、一定割合・・・それもこの実験では、半数以上の人が・・・いるという事が証明されてしまいました。

性善説を唱える人からすると、受け容れ難いかもしれませんが。

ただ、劇中に描かれているように、この実験自体に、倫理的に許される実験なのか?
他にも、実験内容のパラメーターを少し変更しただけで、結果に大きな違いがでるような不安定さがあるようなので、否定的な意見も、あるようです。

それでも、やはり、残虐行為発生のメカニズム解明と再発防止策については、十分に検証・検討されるべき事だと思うので、ミルグラムの行なったこの実験、そしてそこから起こる問題提起について、とても有意義な事だと感じました。

単なる性善説とか心の闇という指摘をするだけでは、虐殺のような残虐行為は、防げない。
であれば、科学の力を使って、なんとか防ぐ手立てが無いのかを模索する行為は、とても尊い行為だと思う。
それにより、戦争に加担した事で発生する兵士のPTSDを予防したり、治療する際にも有用な事がわかるかもしれない。
更に人間の本質が、つまり、人間とは一体何なのか、という事が明らかになっていく事に期待したいと思います。

http://next-eichmann.com/
http://coco.to/movie/40744
http://www.kinenote.com/main/public/cinema/detail.aspx?cinema_id=87454
https://www.imdb.com/title/tt3726704/
http://movie.daum.net/moviedb/main?movieId=93568







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